その誘惑 - FictionJunction

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2004年9月2日(木) その誘惑

引っ越した当初は思っていましたとも。せっかくの新居、めいっぱいオシャレに飾りたい。小物にも拘って、ゆっくりと雑貨屋さん巡りをして、少しずつお気に入りを揃えて行こうと。

でもね、勝てなかったんです。
百円ショップの誘惑に。
だって他のどのお店より近く、真向かいにあるんですもの。かくして、オシャレなティーセットでも揃えようかと目論んでいた筈の客用カップやら、何ですか使いやすそうな篭だとかドンブリだとか、家の中を埋め尽くして行く百円グッズ。まあ経済的ではございますけれどね。‥‥でも経済的すぎるのも問題で、百円ならいいか、と買ってしまうブツの多い事。一人暮らしの割に台所の引き出しが何故こんなに混み合っているのかと整理してみれば、白髪ネギ作り器だとか林檎の芯抜き器だとか、「鍋の片隅で野菜を茹でられます」鉄網とか(良く考えてみれば味噌こしと同じ形)二つも買っちゃったプチおろし金だとか、持っているのも忘れていたような、早い話全く使っていないグッズがわんさか。貴方にも心当たりございませんか? 私だけですかそうですか。いえ、勿論百円ショップで買って非常に便利に使っているモノも数多くあるんですけれどね。

誘惑されると言えば。

先日、[THE STRIPES] さんのライブを見に行って参りました。楽しかったー。
ライブと言うよりディナーショーでしょうか。美味しいディナーを頂きつつライブを楽しめるという、二度美味しいショーなんですが、また席がとても良い場所で、客席中央に孤島のように設置された「タップ台」の目の前。ほんの1mほどの距離でHIDEBOH さんの足元を拝む事が出来たという、まーなんとも素敵な体験でした。

HIDEBOHさんがタップを踏んでいる姿は、本当に美しいです。誘惑されちゃいます。
人前で、舞台で歌や踊りを「見せる」時にはお客さんを誘わなきゃいけないんだと思うの。見せるじゃなく魅せる。「魅せられる」からもう一度見たくなる。ハマる。THE STRIPESさんのライブには、初めて見た時から魅せられっぱなしです。

歌や踊りが上手い人は山ほどいるけれど、魅せる事を知っている人はその山のほんの一角なんだろうなあと思う。きっと性格もあると思う。残念ながら、持って生まれたモノもあると思う。卓越した技術を持ちながら、何故かしら「魅せる」事が出来ない人もいる‥‥。その差はどこにあるんでしょうね? 欲は絶対必要だと思う。「私を見ろ!」という欲。でも欲を表面にさらけ出しすぎてもいけないのだとも思う。

話は微妙に変わっちゃいますが、フィギュアスケート。(かなり季節外れですが)死にものぐるいの四回転披露が始まってから、無茶苦茶詰まらなくなったなあ、と思う。まあ私がテレビなどで見るフィギュアスケートは殆どが「競技会」なので、ある程度仕方の無い事なのかもしれないけれど。

例えば私のようなダンス素人が様々な舞台を見る際に、「わーすごいテクニックだな」を見たい訳じゃ決してないんですよね。美しい(色々な意味で)踊りが見たいの。‥‥まあ価値観は人それぞれですので、決めつけられる事じゃありませんが、少なくとも私は、ね。フィギュアスケートで三回転だろうが四回転だろうが、「白鳥の湖」のオディールの見せ場の32回転、ドゥーブルだろうが何だろうが、「すごいだろ!」=どこかしらやっとやっと、なニホイが漂うモノって見ていて疲れる。美しい方がいい。テクニック、技術はウツクシサを支えるもので、テクニックそのものに価値がある訳では決してないんですよね。無論、技術力やテクニックあってこそ「ウツクシサ」の幅が広がる訳なんですけれど。

素敵なパフォーマーさんは、テクニックを見せる事と、ウツクシサで魅せる事の違いをちゃんと分かってる。そこが「魅せられる」要因の一つなんだろうなあ、と。
素敵な映画を見ると、「また映画見たいなあ!」と思いますよね。素敵な舞台を見ると、また色々な舞台が見たくなってワクワクします。

9月後半にもチケット取っていたりするのもあるんですが。‥‥あるにはあるんですが‥‥お仕事状況でどうなるかとも思いつつ、前倒しに済ませるという決意も新たに! また素敵な夜を過ごせますように‥‥。


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