10月, 2004 - FictionJunction

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2004年10月31日(日) 結構怒濤だった10月

暫く都内某所にて監禁‥‥ではなく缶詰状態でお仕事の後帰宅致しましたら。
野菜袋の中に放置されていたさつまいもから立派な生命の芽吹きが。

あまりにりりしいので捨てるに忍びなく、
このまま一体どこまで育つのか観察してみようかなあ。

そんなこんな荒れ果てた生活を送っていた10月ではございますが皆様如何お過ごしでしょうか。めっきり寒くなりましたねえ。梶浦は缶詰後はそのままスタジオ作業に雪崩れ込み、そろそろベッドで寝たいよう、な日々が続いておりました。いえ、幸せな事だと思ってます。真面目に。そんな作業も終わりに近づき、今日はベッドで眠れそうなので久しぶりの日記更新をと。ああ布団よ。でもまだ夏の布団だよ‥‥寒そう。
この間作っていた音楽はまだ相当先の作品のものなので、またお知らせ出来ます時期が来たら‥‥。

久しぶりの日記で宣伝ばかりなのもアレなんですが、
本年の12月はまたちょっと色々関わらせて頂いた作品が出ますので詳細を書かせて下さいませ。

まずOVAアニメーション、コゼットの肖像、のサウンドトラックが12月、発売になります。
コゼットの肖像の音楽は‥‥何と申しますか、メニューや資料を頂いて、そこにあった言葉や気持ちが妙にしっくり来たというか、その流れのままに作ってしまった、ここ最近で最も「無理なく」作った音楽かなという感覚がございます。頭の中にある音をそのままぽんと出した感覚というのか。

尤も、「無理なく」作る事が必ず「ヨイモノ」に繋がる訳ではないとも思う。何か新しいものに挑戦したい、新しい音に挑戦したい、という時にそこには必ず無理がつきまといますし、モノヅクリをしている以上越えなければいけない、越えるべき無理も沢山ある。無理を越えた先にしか得られない満足感も沢山ある。

ただ、このコゼットのサウンドトラックは、その無理を敢えて全くしていない。普段私が一人でいる時に頭の中で鳴っている音に最も近いもの、という気がしています。だから音楽を「作った」という感覚があまりない。頭の中に自然にあったものを何も飾らずそのまま取り出しただけ。そういう意味で自分にとってとてもいとおしい一枚になりました。無理をせねばならないタイミングもあるけれど、こんな風に自分の中の音をぽんと取り出して残しておける、というのはとても幸せな事だったなと。そういう作品に巡り会う事が出来、この作品の音楽を作らせて頂けた事が本当に幸福でした。良いところも悪い所も、これが、あくまでこの作品を作っていた時の‥‥ですが。梶浦のありのままという感じでございます。こんな音を心の中で自然に聴きながら日常を過ごしております、という感じの一枚かしら。御興味があればどうぞお手にとってやって下さいませ。

それからもう一つ。
同じく12月に、マージェリィ・ウィリアムズ原作の絵本、小川範子さんによる朗読、「ビロードうさぎ」CDが発売になります。そのBGMを梶浦が担当させて頂いております。

朗読のBGMという事で、普段やらない試みをしてみました。音楽の半分は、場面をきちんと考えて主にピアノ+弦楽器を中心に作った音ではありますが、あとの半分はピアノ一本、スタジオで小川さんの朗読の録音をずっと流しながら、何も決めずそれに合わせてピアノを弾くという、つまり朗読を聴きながら一発の全くの即興。あくまでずっと言葉が流れている後ろの音ですので、ぽつぽつと、メロディーも定まらないままに、朗読の気分に合わせて流れるように。いや、思った以上に楽しかったです。小川さんの朗読がまた、暖かな声も抑えた抑揚もとても素晴らしくて。作った音楽を後々朗読にはめていく作業まで今回担当させて頂いたんですが。その作業中も小川さんの朗読に聞き惚れてしまって。またビロードうさぎのテキストがいいんですよね。いしいももこさんの名訳です。

こちらの朗読CDは、音楽のみのサウンドトラックCDとの二枚組で発売されます。サウンドトラックの方も、半分はピアノの即興がぽろりぽろりと言っているだけというものではございますが。あくまで小川さんの朗読とご一緒に楽しんで頂けるのが一番魅力的な音群だとは思っておりますが、でも何と申しますか、とても優しいCDになったのではないかなと。お休み前に聞いて頂ければ、5分で熟睡間違いないかなと‥‥自分では思っているんですが。‥‥本当にさりげない音楽群ではあるのですが、普段作る機会のないような音を作ることが出来て、何ですかこちらも、音を作っている間中とても幸福でございました。梶浦作曲編曲、小川範子さんが歌詞を書かれて歌われている主題歌というのかな? 歌も一曲収録されています。‥‥ちょっと気に入っています。宜しければこちらも是非お手にとって頂ければと。

それからもう一枚。
TVアニメーション、「舞-Hime」のサウンドトラックも同じく12月に発売になります。こちらは詳細が決まりましたらまた‥‥。

そんな訳で、12月も何やら沢山リリースさせて頂けるという事となりました。今年、色々やらせて頂いたなあ‥‥でもどの作品も、巡り会えて良かったと、ここでこの作品に関われて、この音を作る事が出来て良かったと思えるものばかりです。幸福な一年でした。‥‥まだ一年を締めくくるには気が早いですが。

今年はもう一つ二つ少し大がかりなお仕事が残っていて、どれも楽しみなものばかり。皆様に作品と共にお届け出来るのはまだ先になりますが、やはりつくづく幸福な年ですね。結局年末まで荒れ果てた生活は続きそうですが、まあ野菜から「芽が出る」のもいい予感と思って頑張ろう‥‥というかどうせ放置するくらいなら野菜買うなと。勿体ない‥‥ごめんなさい。

とりあえず明日はせめて冬物の洋服を出そうと思う、寒さに震える昨今でした。
季節の変わり目、皆様もご自愛下さいませ。

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2004年10月9日(土) 今日も見ちゃった

一息いれようと思ってふとテレビを付けたら
「トスカ」(オペラ)やってました。丁度二幕の終わりの山場で、思わず最後まで見てしまいました‥‥ああ誘惑に弱すぎです。カヴァラドッシがすごく良かったなあ。

三幕頭。二人の将来、愛‥‥を語ってはしゃぐトスカ。最後に待つ悲劇をより悲壮にする為でもあるんだろうけれど、でも今犯してきた罪におののき(自分に言い寄る男を殺して来たばかりなのですよ)、また高揚し、酔ったようにはしゃいでいるようにも見える。それを全て理解したように抱きしめるカヴァラドッシ。トスカって本当にドラマとしても本当に素晴らしく良く出来ている作品だなあと思う。音楽はもう言うまでもなく、素晴らしすぎます。

ちなみにトスカを見るたびについ思い出してしまうのが、「動物のお医者さん」という漫画の、主人公達がこのオペラのエキストラを勤める話なのですが‥‥。「トスカ」というオペラを知っている方にはもう抱腹絶倒、爆笑せずには読めないストーリーです。確か後半の方に収録されていた筈。何巻かは分かりませんが‥‥オペラ好きの方は是非そこだけでも読んでみて下さいませ。

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2004年10月8日(金) 見ちゃったような気がした

おっきなテレビと共に買ったHDD-DVDレコーダー。
「番組表」で録画出来るのが便利で簡単で、買った当初は番組の録画にハマりました。映画や音楽番組、雑誌でチェックして録画しまくり、ハイビジョンいい番組やってるなあ!などと感心しつつ、埋まっていくHDDを見て悦に入っていたのですが。

でもね。
見ないんですよねこれが。
HDD満杯になるまで録画を貯めて、結局殆ど見ていない自分に気付き、それからはバカバカしくなって録画熱も冷めました。きっとステキな番組を何本も録画しそこねているんだろうなあ。でもどうせ見ないなら同じ事。

見たみないの話で言えば。
最近、生まれて初めて見てしまった気がします。
アレを。
音楽スタジオには出る率が高いそうですし、音楽家の中には霊感が強い方が多々いらっしゃいます。のでこの業界、そんな話には事欠かないのではございますが、私個人は霊感ゼロ。「今そこにいるよ」と言われてその場所を凝視しても影さえ見えたことはなく、かろうじて某あまりに有名すぎる霊在住スタジオ(‥‥)に泊まり込んだ際に足音らしき音を聞いたことはあったんですが、それも定かではなく。

ところが先日、あまりにも良く行くあまりにも見慣れた場所で、どうやらそれらしい女性を拝見してしまいました。何せ初体験です。そんなモノを見てしまったらさぞかし怖いだろうなあと普段は思っていたのですが、あまり怖いという感覚はなく、どちらかと言えば心底びっくりした。物理的にあり得ないものを見ているという不思議感覚の方が強くて‥‥何というか、疲れていて目のピントが合わくなってしまった時、もしくはだまし絵のようなものを見る時に感じる、妙なものを三次元的におかしな場所で見た時の違和感、あれに近いんでしょうか。それがピントを戻しても消えない感じ。

「どうやらそうらしい」と気付いてからも、きっとこれは気のせい、もしくは何かの見間違いに違いない、という気持ちの方が強く、だから怖いよりもかえってまじまじと見つめてしまいました。何かが映りこんでいるんじゃないかとか、色々その場所で検討した結果、どうやら映り込みではあり得ない、目のせいでもなくきっとアレはそうなんだな、と納得?してから初めてそそくさとスタジオを逃げ出しました(笑)。と書くといかにも冷静だったようですがかなり茫然自失していたような気も致します。スカートの柄だけやたらにはっきりと見えて、覚えています。

後で人に話したら、全く怖くなかったのはきっとそれは悪意ある霊じゃなかったからだよ。と言われました。なるほどなあ。きっと本当に怖い思いをしたら、こんな風に日記に気軽に書くことも出来ないんでしょうけれど。

そうそう、ついでにその日、何だかスタジオで機材のプチトラブルが幾つかあってね。普段は全くトラブルのない、管理のしっかりしたスタジオだけにそれもまた印象深く。まあ偶然だとは思うんですが、やっぱり何か関係あるのかなーどうなのかなー。

まあ、幾つになっても人間初体験ってあるものなんだね、というお話でした。

とっさに言えない言葉。
ヒアルロン酸
男性には?かもしれませんが女性なら誰でも知っているこの薬品名。
どうしても「ヒルアロン‥‥ヒロアルン‥‥あれ?」となってしまいます。
いえ、どうでもいい話なんですが。

そんなこんな

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