取り戻せないあの一時 - FictionJunction

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2006年11月27日(月) 取り戻せないあの一時

先日中学時代の友人に会い、昔の写真を貰い、わー懐かしい、なんて皆で眺めていたんですが。昔懐かしいと言えば今年の夏、実家引っ越しにあたり、家族総出で昔の雑物整理なんてやっていたんですよね。

小学校時代の日記やら、作文やら教科書やら、出てくる出てくる。まさに人に歴史あり。自分のものだけでなく兄妹の分まで見せて見せて状態になり、結局片付けどころか散らかしただけでその日終了になった事は言うまでもありますまい。

昔の日記も充分赤面ものですが、もっとアレなのは手紙ですね。子供の頃の手紙はカワイイだけで済みますが、思春期地層から発掘される、あれです。恋文の類。
当時はメールとか無いからね。パソコンも、ワープロさえ高級品だったからね。当然手書き。初々しさ極まれりといった所です。

こればかりは兄弟と言えどお互い見せ合うという訳にも行きませんが、我が家で一番のモテ男だった兄とか、ざくざく発掘してるの。それで、「誰だっけこいつ」とか言っちゃってるの。悪い男め。

私の地層には思い出せない相手からの恋文なんてありませんが、それでも思い出せる相手からのフミを「うおー若さって恥ずかしい!」とか言いながら、それぞれの時代毎に読むのは何とも懐かしくも楽しく、でもフミをくれた相手にしてみれば、
「頼む……頼むから捨ててくれい!」
とすがりつきたくなるような恥ずかしアイテムなのは間違いない。

しかし問題は、自分の所に相手からのラブレターが残っていると言うことは、相手の所にも自分からのフミが残っている可能性が限りなく大きいというその一点。
「頼む……頼むから捨ててくれい!」
と天を仰ぎ地に伏してお願いしたい所ですが、でも捨てないよね。ラブレターって。
こればかりは取り返しがつかない。

そう、手紙に関わらず、取り返せない一時というのは確実にございます。

先日クリスマスプレゼントの話から「怖いプレゼント」の話題になり、
梶浦「あれだよね。まだ付き合ってもない彼女から、告白ついでにいきなり手編みのセーターとか結構怖いよねー」
同席していたA子(仮名)ちゃん曰く
「えー、私今まさに編んでるんですけど! 怖いですか!?」
「……あ! いや! 心が籠もっていればプレゼントって何でも嬉しいよね! ね!」
訳の分からない言い訳に終始したあの一時とか。

スパムメールの話題で盛り上がっていた時、
梶浦「でもあんなメールに引っかかる人いるんですかね? あり得ないっしょー」
何故かスタジオが気まずい沈黙に包まれたあの一時とか。

もし一度だけ時を遡り、やり直しが出来るとしたら。
何か一つだけさくっと削除していいよ、と言われたら。

梶浦的に一等賞で消したいアレ。
ポエム封入ラブレター」で大決定です。

そう、中高生の時からさりげにポエマーだった私がティーンの時に出したラブ満載手紙。そのポエムの内容たるやもう、恥ずかしいを光速で余裕超え、今もこの世のどこかに存在すると思っただけで、生まれてきてごめんなさい、と生きとし生けるものの全てに平身低頭謝罪しまくりたくなるほどのシロモノです。
何故あんなものを封入してしまったのか。頼むから過去に戻してあれだけさくっとやらせて欲しい。まだA男君(仮名)の天袋のどこぞに存在しているのだとしたら、月影凍る大地を転がり踏み分けてでも消去に伺いたい。それとももしかしたら、女性と違って男性は、過去のそういったブツも案外簡単に捨ててしまったりするのでしょうか。心からそう願いたいものです。

時よ戻れ!
そう願い、頭をかきむしることのなるべく少ない、後悔のない日々を送りたいとは願いつつ。しかし相変わらず、まだ書いていない曲のたくさーん存在するレコーディング前夜には、宿題のたんまり残った夏休み最後の夜を思い出す……。

……仕事に戻ります。


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