哀しみの牛丼 - FictionJunction

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2007年12月27日(木) 哀しみの牛丼

曲は天から降ってくる。
……こともあります。
歌モノの場合は結構多いです。

具体的に言えば、道を歩いている所にふと沸いて出てくる事が多い。沸き始めると止まらない。やぱ、あ、イントロ来た、Aメロ来た、弦来た、ギターリフも来た、あ、歌詞付きでサビまで来た、コーラスもきたー、あわわ、という感じです。放置しておけば頭の中を右から左にすーっと流れて消えて行ってしまうので、すかさずメモせねばなりません。なので五線紙ノートと鉛筆は常に携帯しています。沸き始めたら人目なんて気にせず、駅のホームだろうが人混みだろうが立ち止まってその場でメモ。沸いてくる速度にメモの速度が追いつかず、必死の形相でメモメモです。
だって、道ばたで降ってくる曲は名曲が多い。
……からではありません。

メモをする最大の理由は、
「忘れた曲は世界一の名曲だった気がするから。」
これに尽きます。
実際、メモして帰宅して改めて奏でてみると
「……ダメじゃん。」
とポイ捨てしてしまう曲の方が多いですが、でも中には「これは行ける!」ものもある。そして忘れてしまった曲は「これは行ける」だった気がして仕方がない。果てしなくそんな気がして仕方がない。なのでメモしない訳には行かないのであります。「やっぱり世界一の名曲ではなかった」事を確認する為だけにでも。

ちなみに、曲をメモって頭の中に流れていた「雰囲気」を忘れない為にはコツがあります。超いい加減な仮歌詞でも、その時流れていた歌詞も忘れずにメモっておくこと。メロディーとコードだけではピンと来ないものでも、歌詞も書いておくとその臨場感ごと思い出せる事が多いです……まあそんな事はどうでもいいんですが。

今日も降ってきました。
ちょっと家から遠目の地下鉄の駅で下車し、歩いている途中に。
これは結構行ける、ような気がする。
しかし今日に限って、五線譜が鞄に入っていない……そうだ、朝、鞄の整理した時に脇に置いて、再収納するの忘れたんだ……どうする、家まで歩いてあと五分。コンビニで紙とペンを買って慌ててメモをするか、忘れないように歌いながら帰るか。
後者に決定し、頭の中でぐるぐる歌いながら足を速めます。
歌いながらサビが若干変化している気もするけど気にしない。
ひたすら頭で歌いながら家へと向かいます。
(たまに実際歌っている事もあります。きっと相当気持ち悪い人です。)

その刹那、ふと目に入った某牛丼屋さんの看板。
「ホワイトシチュー牛丼」
え、何ソレ。
何だかあり得ない組み合わせな気がする。
牛丼って実は殆ど食べた事がない。牛丼屋さんに足を踏み入れた事も、生まれてこの方一回か二回しか無い私です。どんな変わったメニューがあるか詳しくは知りませんが、でもこの組み合わせってどうよ。和洋折衷? さすが日本人だなあ。何でも混ぜちゃう。いや、そういう自由奔放な日本人のアレンジ能力ってすごくイイと思うんだけどさ。

などと思いを巡らし、ふと気づくと。
……消えてた、曲が全部(涙)。

ああ、やっぱりあの時紙とペンをすかさず購入し、メモしておくんだった……と後悔しても後の祭り。アフター・ザ・フェスティバル。高校の文化祭、暗闇の中でみんなでジュースを啜った、あの後夜祭の明るい虚しさを思い出す……いや待て、でも「後の」祭りなんだから、ジ・アフター・フェスティバルの方が近いのか?
そんな事をつらつら考えても何の慰めにもなりません。

せめてもの腹いせにと、梶浦はその牛丼屋さんに初めて足を踏み入れ。
「ホワイトシチュー牛丼」
を買ったとも。ええ、買いましたとも。
テイクアウトし、お家に帰って食べましたとも。

Gyuudon

無意味に写真も撮ってみたよ……。
おぬし、せめてブログのネタになってでも貰わないと気が済まぬ!
(八つ当たり)

ホワイトシチュー牛丼は、想像に違わずもんのすごくジャンキーな味だったけど、結構美味しかったです。
……ちょっと塩辛かったのは、心の涙の味だったのかもしれません……。

そんな訳で、今日忘れ去った曲は「これは行けない」曲だったと私は信じています。
牛丼に負けた位ですから。ええ、きっと。


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  1. いづ より:

    初めまして。
    歌いながら必死に走る梶浦さんを想像して笑ってしまいました(笑)
    きっと今度は牛丼にも負けない素晴らしい曲が降ってきますよ。
    でも、その曲も聴いてみたかったです(笑)
    これからも頑張って下さい!

  2. MINA より:

    由記センセ、お疲れ様です。いつも応援しております。
    ・・・ってえええっそんなぁぁぁぁぁぅおおおあはははっ!!(ガビン!!)と叫びました。まさか、ホワイトシチュー牛丼なるものに由記先生の新曲となるかもしれない曲がかき消されるなんて、さすが由記先生というか何と言うか(泣笑)
    今度是非「悲しみの牛丼」というテーマで一曲作曲してみてはどうでしょう(汗)
    これからもいろいろ楽しませてください!!由記先生!!!!

  3. より:

    天から曲が降ってくるとは
    流石梶浦先生、やっぱり天才肌なんですね!
    ホワイトシチュー牛丼の衝撃は確かに凄そうです(苦笑)
    怖いもの見たさに食べてみたいような
    やっぱりそんな奇抜な物は食べたくないような?
    こういう要らんときに限って反応してしまいますよね(悲)
    でも周りに刺激されない人間なんてきっと美しくない…!
    と思ってみませんか?(何)

  4. s より:

    由記ちゃん、なんだかんだで八つ当たり(涙)

  5. INABA より:

    梶浦先生こんばんは。(^O^)/
    そうやって梶浦ソング達は誕生しているんですね。o(^-^)o
    ホワイトシチュー牛丼…、でもホワイトシチューに醤油をかけて食べるとあら不思議!コクが出てまろやかな味に!(>_<)
    なので牛丼にも合うかも知れませんね。

  6. いおり より:

    歌いながら歩いてる……梶浦センセを想像して(*^_^*)微笑ましく思ってしまいました♪(←ちょっと違うぞ)
    でも歩く時は気を付けてくださいね(^-^)
    それと牛丼☆食べてみたいなぁ(苦笑)あ、でも自分で作れそうな感じもしますね(^^)

  7. 伊勢甲斐守 より:

    梶浦さんチャオ間を置かないブログ更新に感謝感激
    菜食派でもないのに牛丼を食べない梶浦さんに驚き(大袈裟)
    創作の敵はやはりご自身の煩悩に他ならないようですね(笑)  
    ボイスレコーダーを買うか携帯電話から留守電にアカペラを録音してみたらどうですか ふて寝でもして意識をクリアーにしてみてください(笑)

  8. あかつき より:

    梶浦さんもそういうことはやっぱりあるのですね~
    私も日常思ったことが頭の中にくるくる回ってるときがあるので、詩にして携帯の送信ボックスに保存。
    結構落ち着きます、、私は。
    紙には字が汚いし、ことが頭の中をめぐるスピードと書くスピードが恐ろしく合わない。
    だから、どうしてもの時は紙です。
    それがHP更新のネタになる(苦笑)。
    引きずらないほうが身のためですよww(ぁww

  9. ろんがーど より:

    ゴロ的に、
    「アフター・ザ・フェスティバル」に一票!!
    めざせ流行語大賞!!

  10. 揺夢 より:

    「忘れた曲が世界一の名曲かもしれない」なんて一介のファンの私の意見だと本当にそうだったのかも知れないって思えて少し残念です(笑)
    それはともかくクリームシチューに牛丼なんて豪快ですねぇ~(^^;
    見掛けたら私も食べてみたいです(笑)

  11. PAKU より:

    自宅の留守番電話に吹き込む人も少なくないそうですね。
    あと、昨今のケータイにはICレコーダーよろしく普通にそれなりの音質で録音できるから、電話している振りしながら歌い続けるという技もあります。
    某○゛ンショーグループの牛丼屋さん(最近だとメガ牛売ってたりするチェーン)は去年の寒い時期にも売ってましたね。

  12. 近衛 より:

    そういえば“テラ豚丼”なんていう酷いモノもあったような・・・

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